かまぼこ板を作る

前回、スケソウダラ捌くところからやったかまぼこ作り。今回はそこでお話しきれなかったちょっとした裏話的なネタです。

かまぼこを作ろうと思い立ったのは何かと忙しない年の瀬、前からかまぼこ作りを計画していたわけでもなく、いつも市場の如く一匹まるごとの魚がゴロゴロ並ぶスーパーで、魚捌く練習兼ね新しい包丁の試し切り兼ね刺身にできる魚でも探そうかと思っていたところ、年末のお正月商戦でほとんどの魚が切り身や刺盛りにされている…
そんな中、目についたのが数少ない未処理で並ぶスケソウダラ。

スケソウダラならちょうど時期的にかまぼこにしてもいいな…と思い至って急遽買ってきたもの。

家に帰ってさて捌こうかと思った頃にふと思う、かまぼこ板どうしよう…
普段から既製品の練り物を食べる習慣がない我が家、既製品の板が残ってるなんてことがあるわけもなく。

ただそこは田舎暮らし&DIY好き、そもそも問題になることもなく、
「その辺探せば手頃な板くらいあるだろう」
くらいの感覚です。

先に板を用意しないとね、と廃材や端材などを置く外の物置に向かう途中でふと目が止まる。

クリスマスツリー…
そう、我が家ではこの冬、山から切ってきた杉の若木がクリスマスツリーとして活躍してくれていました。

それが役目を終えて薪になるのを待っておりました。

『これ、かまぼこ板に使えるんじゃ…』

思い立ってしまった…絶対面倒な上かまぼこ板にするには絶対細いよねって分かってるのに思い立ってしまったんです!おもしろいじゃんって思ってしまったんです。この忙しい年の瀬に!

やると決めたらサクサク作業開始。一番太いであろう根元の部分の幹をノコでカット。
見ての通り細いです。切るのは楽だけど板にできるのか不安が残ります。

更に適度な長さにカット。
次は板にしなければいけないので半分に割ります。
そりゃ冷静に考えれば工具使うなり丁寧にノコひくなりしたほうが綺麗にいくのは容易に想像がつくのですが、
この時の私、この後魚も捌いてかまぼこ作らなきゃいけないし、外作業寒いしで焦った結果、

ノミとハンマーで割ることを選択してしまいました。
せめてナタのほうが良かっただろうか…、いや、一緒か。

まぁ結果、

割ったはいいけどガッタガタになりました。

これじゃさすがにかまぼこ擦り付けても取り切れすもったいない部分が多く出すぎるし、軽くペーパー掛けてみたけどそんなもんですぐに平らになる気配もない強敵っぷり。
そう、それに私は急いでいる。
もうこれまでかと手頃な板を探して切るだけの簡単な方法を選ぼうかと諦めかけてはいたのですが、
念のためこたつでぬくぬく仕事中だった相方ますたぁに相談。

『できるよ』
と。なんと!!

少々面倒くさそうにはされましたが協力いただけることに。

カンナ出てきた。いい感じにシャコシャコ削っていきます。
が、さすがにノミでかち割ってボッコボコの状態に
『これじゃ埒が明かん』と

ついにガチ工具、グラインダー出動。
みるみるツルッとした板になっていきます。

そんなわけで出来上がったかまぼこ板。

素晴らしい!!ちゃんと座りがいいように底も削って作りました。

もう細いことなんてどうでもいい。この形に仕上がったことがすっごーく嬉しい!
そんなこんなでかまぼこ作る前からお騒がせ案件だったかまぼこ板はこうして出来上がりました。

今回のかまぼこ作り、魚捌いて裏ごししたり練り上げたりすごく手間がかかって大変だった印象がありますが、実際大変だったのは魚に取り掛かる前からこんなことしてたせいかもしれません。
ほぼ半日潰れました。

それでもツリー用に切った木が薪になる前にまた大役を果たせたのは実に満足。
山の恵を最大限活かして無駄なく楽しく生きることはうちのモットーでもありますからね。