ボラの卵でカラスミを作る

前々から作ってみたかったものの一つ、カラスミ。
言わずと知れた高級食材。言わずと知れた最高に酒に合うおつまみ!

今年は大根もうまく育ったことだし、大根に薄切りにカラスミ乗せて食べたら絶対うまい!

とはいえ毎年材料であるボラの卵に巡り会えない。
今年も11月に入り、そろそろだよなーと思いながらも、こんな山の中来ちゃって通常の魚介類ですら買えるスーパーまでも30分はかかるのに、そんなレアなものに出会える確率低すぎるよなーとほぼほぼ諦めていたそんな時、

ありました!

そりゃ買うよね。飛びついて買うよね。そこそこいいお値段はするけどカラスミになってるの買ったらそんなもんじゃすまないしね。

ちょうど仕事で街の方に出ていたタイミングで寄ったグリーンセンターの産直に売ってました。
市場行かなきゃ入手できないと思ってたのがこんなところで出会えるとは。

さっそくカラスミづくりに入ります。
高級食材たる所以が分かるくらいに時間がかかります。

カラスミの作り方

材料

・ボラの卵   ーーーあるだけ
・粗塩     ーーーたくさん
・日本酒と焼酎 ーーーボラが浸かるだけ
  なんともまあざっくりな分量ですがなんとかなる

作り方

買ってきたボラの卵を洗って血抜きをします。

裁縫用のまち針を消毒して血管にプチプチと穴を開け、血管を押し出すと血が抜けます。
臭みが残らないように丁寧に丁寧に可能な限り細い血管まで頑張ります。
細い血管は多少血が残っても穴さえ開けておけば翌日には抜けてました。

氷水に浸して冷蔵庫で一晩。

翌日冷蔵庫から出した様子。

キッチンペーパーでしっかりと水気を取ったら塩漬けに入ります。

塩を敷いたバットに乗せて

更に塩で蓋!塩の中に埋めてしまってください。
この状態でラップをして冷蔵庫へ。

翌日、水がたくさん出てくるので水を捨てて、減った分の塩を足してまた塩の中に埋めきります。

この作業をだいたい5日間、水が出なくなるまで繰り返します。

2日目、まだ出ます。

3日目、出る量は減ったけどもう少し。

5日目、もう傾けても水が出なくなったので次の工程に行きます。

塩抜きします。ボウルに1%の食塩水を作ってボラの卵を入れ、途中1回水を変え、合計5時間。

塩抜きが終わったらキッチンペーパーで水気を切って、酒漬けの工程に入ります。

タッパーに日本酒と焼酎1:1でボラの卵を漬け込みます。

落としラップ+フタをして冷蔵庫へ。ここに来てやっと作業はしばらくお休み。1週間しっかり酒に浸かってもらいます。

酒から上げると塩漬け時に固くなっていたボラの卵が購入時のように柔らかくなっています。
キッチンペーパーで水気を取ったら、新しいキッチンペーパーにくるんで一晩冷蔵庫へ

さて、いよいよ干し作業。

冷蔵庫から出したボラの卵を直射日光の当たらない風通しのいい場所で干します。
うちは南側の縁側にすだれがかけてあるので、窓を開け網戸の状態で縁側で干します。

いつも干し物はウッドデッキが大活躍でずらりと干しザルが並んで天日でカラッと干されているのですが、肉や魚はそんな迂闊に外には干せません。いつだかベーコン作ろうと塩漬けした鹿の足を乾燥させてたら猫だか狸だかカラスだかに肉片ちぎり持ち去られたことがございます…

ここまで手をかけてきたカラスミを奪われるわけにはいきませんので、室内で干しています。

干しザルに並べても良かったのかも知れませんが、なんとなく下面も通気性が良いほうがいいかな、と思い、小さめのバットに巻きすを乗せて通気性を確保しつつ干しました。

この辺り12月ともなると夜中から明け方、冷蔵庫と変わらないひんやり気温なのでうちは干しっぱなしでいっていますが、心配な方は夜には引き上げて冷蔵庫に戻すことをおすすめします。

たまに上下ひっくり返し、干し続けること20日!

そろそろ良さそうです。良いべっ甲色!!

しっかり水分が抜けて持ち上げても固くなってるのがわかります。
むふふ。いい感じではないですか。カラスミの付け根の魚の身の部分を切って完成!
(ちなみにこの切り取った魚の身の部分、なかなか手にも残る魚臭がするのでお気をつけあれ)

やっぱり王道に薄切りの大根と一緒にいくのがいいですよね。今年は大根も自家栽培のものが収穫できたので、採れたてみずみずしい大根と一緒に。

うんまーーーい!
おそらくこれまでにも数えるくらいしか食べたことはない、それでも大好きになったあのカラスミ、なんの遜色もなくちゃんとカラスミです!塩加減もしょっぱすぎず風味もしっかり、これは酒が進みます!!

こんな普通の和食卓にもカラスミがあるだけでものすごい贅沢感!

そんなバクバク食べるようなものでもないので、ひたすらチミチミ…
11月末に仕込んで約1ヶ月、ちょうどお正月を迎えるのにいい時期だったのでお正月料理にも華やかさと贅沢感を添えてくれました。

輸入物でもかなりいいお値段する日本三大珍味であり高級食材のカラスミ、ボラの卵を見つけた際にはぜひぜひ自家製お試しいただきたい。日本酒好きには特にオススメです!