フードドライヤーを使った麹の作り方

すべてを【素材】から調理する【イチから】料理を目指すうちにとって、避けては通れぬ、挑まねばならぬ大きな壁が麹造りです。
塩は【素材】認識ですが、麹は米や麦や大豆に麹菌をつけて培養する過程から【素材】とは言えない認識でおります。
味噌も醤油も味醂も、うちで大活躍塩麹、醤油麹も全ては麹の力で作られるもの。
単純にそれ全部できた麹を買ってたらコスパ悪い、という理由もありはしますが、とにかくなんでも自作できるものはやってみたいのです。

麹造りももう試行錯誤を繰り返し何年目かにはなりますが、何と言っても温度管理が一番重要で難しい。
これまでは発泡スチロールに湯たんぽ入れてみたり、厚手のタオルでぐるぐる巻きにしてこたつで温めてみたりパン用の発酵機使ってみたりといろんな手を使ってみたものの、現状フードドライヤーを使ったらすごくうまくいったのでご紹介します。

まず、フードドライヤーは30℃からの温度設定可能な箱型のものを使っています。

薄いものしか入れられないタイプのフードドライヤーだと難しいかもしれませんが、私は最初から発酵機としての利用も視野に入れて、30℃からの温度設定ができること、24時間タイマー付きをチェックして、ちょっと奮発しました。

元々食品を乾燥させることが目的のフードドライヤーなので、湿度がしっかりいる麹造りには少々工夫は必要です。

では一番オーソドックスな米麹を作っていきます。

フードドライヤーを使った米麹の作り方

材料

・米   ーーー1kg
・種麹  ーーー5g(素人なので少し多めです)

作り方

米を研いで水に浸します。季節によって浸す時間は5〜20時間とかなり違いますが、家庭でやるには雑菌の繁殖しにくい冬場のほうがいいと思うので、冬は20時間ほどしっかり浸します。

その後ザルに上げて3時間。ザルを傾けるなどしてしっかり水を切ります。

水を切った米を蒸します。

うちは蒸篭で蒸します。蒸し布に包んで、しっかり蒸気が上がるのを確認して蓋をして40分。

米の芯はなく、炊いたごはんよりはかなり硬めです。
蒸し上がったお米を冷まします。

清潔なさらし布に広げて温度を測りながらしゃもじで混ぜて冷まします。
40℃になったところで種麹を全体に振り混ぜます。

種麹は茶こしで全体に均一に振っていきます。

再度しゃもじで混ぜ混ぜ。

混ざったらさらし布をギュッとまとめます。最初はあまり薄くせずまとめます。

これでフードドライヤーに入れるのですが、前にも言った通りそのままでは乾燥してしまうので、ビニール袋に入れます。

ただ、麹が増えるのに空気も必要なので口は閉じません。

フードドライヤーを30℃に設定して20時間。

理想の品温は38℃〜40℃です。空気も必要になるのでたまにちょこちょこ扉開けて、温度が上がりすぎてないかもチェックしてました。

20時間経ったら切り返しをします。一旦出して布を広げ、米をバラバラにほぐして全体を混ぜてから包み直します。
この時もすでに麹の香りがして米も少し白い菌糸がまとい始めています。
同じように布をビニール袋に入れて口を閉じず、フードドライヤーに入れて30℃で5時間。

次は盛りの作業。布から出したら、清潔な布を敷いたトレイに分けて、上からも布を被せます。

本来木でできた麹蓋を使うのですが、麹蓋などないので食品トレイをきれいに洗って消毒して使っています。いつか麹蓋も作りたい…

またビニール袋に入れてフードドライヤー30℃で5時間。
麹自体が熱を発するので品温は40℃が目標。40℃よりも上がってしまう場合はフードドライヤーを切ります。

次は中仕事。2回目の手入れです。品温40℃になったのを確認して作業できればベスト。
1回目同様、米の塊をほぐして全体を混ぜます。
元の状態に戻して再度フードドライヤーへ。30℃設定で次は6時間程度。

この作業をもう一度繰り返します。この最後の手入れが仕舞仕事。
フードドライヤーに戻したら同じように30℃設定で6時間程度。
様子を見ながら、トータル42〜50時間くらいフードドライヤーの中で麹の培養をして完成です。

ふわふわもふもふの麹菌に包まれた米麹になっていれば成功です。

多少手間はかかりますが、麹から自分で作れると味噌作りや塩麹、醤油麹、甘酒などなど幅が広がり、何より買うより断然コスパがいいです。
うちでは夏場に作るのは雑菌の繁殖が怖くてやらないので、冬場にたくさん作って冷凍保管しています。
更にこれまでの経験から、種麹もしっかり密閉して冷蔵庫に保管していても、やっぱり1年後使うにはできが悪い…
なので種麹も買うと米15kg分作れると書いてあって、みみっちく使いたくもなるんですが、素人は規定量より多めのほうが成功しやすいし置いといても使えなくなるならと、一冬に米5キロ分くらいをどっと作って一袋使い切ることにしています。

うちではフードドライヤーを導入してすごく成功率は上がったので、同じタイプのフードドライヤーお持ちの方はぜひ発酵機としても活用してみてくださいね。