うちの畑では無施肥無農薬で野菜を栽培しています。
具体的には炭素循環農法を知ったことをきっかけに、菌ちゃん農法も参考にさせてもらいながらこの山間地で得られるものを取り入れて実践しています。
最初は無農薬で虫の食害をなくしたいと思ったことがきっかけでしたが、山間地に移住した今となっては肥料や堆肥に頼ることなく、土地に負担をかけず、何なら自分たちの出費の負担も減らす、そんな意味も含めての持続可能な循環型の畑を作りたいとの思いでやっています。
持続可能と考えた時、毎回苗を買うんじゃなく固定種の種から育てて自家採種するサイクルも作りたいと思うようになりました。
最初はうまくいかずに徒長させまくっていた育苗もいろいろ調べながらなんとかうまく作れるようになったのですが、なかなか高額な初期肥料の入った種まき培土や育苗培土を使っていたので、ここもなんとかしたいなと。
ただ、野菜が育つのにいい状態になった微生物働く土を持ってきて育苗してもいまいち育ちが悪い…
苗半作と言われるように苗がうまく作れなくてはその後の生育も収穫もイマイチ。
根菜類のように最初から畑で発芽するものはいいんですが、育苗してから植え付けしたほうが効率的で成功率の上がるものは育苗したい。
そこで、うちでは育苗中の土だけは野菜くずの堆肥を使うことにしました。
これが施肥に当たるのか、堆肥使ってんじゃん、って話になるのかどうなのか…
ただ、何かを毎回購入しないと栽培できないというサイクルを脱してすべて自給できることが目標!
畑で主に増やそうとしている糸状菌の働きではなく、野菜くずが発酵することで栄養分となり苗を育てようということです。
うちで使っているコンポスト、いわゆる【キエーロ】です。
はい、完全自作しました。
引越し前にウッドデッキで使ってた野地板と角材を保護塗料塗って作りました。
そのうち朽ちるかもしれないけどそうしたらまた作ればいいかと。
使用1年ではまだまだ問題なく使えてます。
箱の底はありません。畑から持ってきた土を入れます。
途中何層か米糠を撒いて
よく混ぜる。
あとは野菜くずが出るたびに掘って
土とよく混ぜながら埋める。
を、日によって場所を変えながら続けていきます。
何ヶ月かに一回、分解が遅いなと感じてきたら米糠をまた混ぜます。
米糠もうちは玄米で買ってきて家で精米するのでたくさんあります。米糠もあると用途はいろいろ。精米機もこの家に残されていたものですが重宝しています。
育苗に使う時は1ヶ月前に作業に入ります。
土を掘り上げ
ザルで濾して分解できていないものを除きます。
土の部分を堆肥等の入っていた袋に入れて口を閉じ、日の当たる場所に置いておきます。
たまに口を開けて空気を入れるといいようです。これで完熟。
キエーロには減った分の土を補充し、また米糠を混ぜ込んで使います。
日々日々調理で出る野菜くずを投入してしまっているので本当はキエーロ2つ用意して4ヶ月交代位で使ってキエーロ内で発酵が完結できるようになるといいなーと思ってるのですが、今後の目標です。
育苗ですが、うちでは少々面倒ですが一部を除いてセルトレイに播種、その後ポットに鉢上げしています。種蒔きのセルトレイの時点ではあまり肥料分はないほうがいいので作った堆肥と土を混ぜます。排水性と保水性が重要なので、土の状態を見て籾殻を足すなどして調整しています。
その後鉢上げして育苗に使う土は完熟させてた堆肥をそのまま使っています。
うちでは現状この方法で、石灰・堆肥・育苗培土・肥料・農薬の購入なく種から栽培する畑ができています。
まだ野菜を販売するには至っていませんが、家庭の野菜自給率は90%以上だと思います。
更に田舎はいただく率も高いので野菜買うことがなくなりました。
まだまだ課題がないわけではありませんが、今後も引き続き持続可能な循環型の畑を目指して挑戦していこうと思います!