家庭で作る醤油の作り方

調味料も一から作りたいうちにとって、難関の醤油。
これまで3回挑戦していますが、未だこれぞという醤油に仕上がっていません。
一度は表面を結構カビが覆い(カビの下は無事だと信じて使いました)、
一度は納豆菌繁殖させてしまったらしく納豆臭のする醤油にしてしまい(食べれないわけじゃないと思って使いました)、
一度はほぼ成功なのですがどうも深みとコクが足りず薄口醤油のような仕上がり(薄口醤油のように使ってます)

おそらく醤油の出来は麹の出来が全てだと信じてやまないのですが、これまで試行錯誤、苦戦しまくってきた麹造りに今年は強力な相棒、フードドライヤーが導入されました!

温度設定とタイマーの付いた箱、これは発酵機として使えるはず!という希望のもとに導入し米麹はうまくいった。それならいざ醤油用の豆麦麹も作るべし!

ということでフードドライヤーを使って発酵機とし、醤油を仕込むまでをご紹介します。

醤油の作り方

材料

・大豆     ーーー850g
・玄粉麦    ーーー850g
・種麹(醤油用)ーーー10g(素人なので多めに使っています)
・塩      ーーー880g
・水      ーーー2420g

作り方

麹を作ります。

1,大豆を洗ったらたっぷりの水につけて戻します

24時間しっかり浸水、丸い豆が楕円形に大きく膨らむので余裕を持った容器で。

2,戻した水で大豆を煮ます

アクがたくさん出てくるので吹きこぼれないようにすくいながら、水がなくなってきたら水を足し、3〜4時間。豆がしっかり柔らかくなるまで煮ます。

圧力鍋なら30分。ただ、圧力鍋使う場合は少量づつしかできないはずなのでお使いの圧力鍋の使い方に従って少量づつ煮ます。
うちは何度もかけるのは大変だと思い圧力鍋はやめてストーブも併用しながらコトコト煮ました。

3,大豆を煮てる間に小麦を煎ります

小麦玄麦を乾煎りします。テフロンのフライパン使うと剥げてしまうので乾煎り用のフライパンを用意しておくと便利。うちではお茶やスパイスなと煎るのにも使ってます。
しばらく煎っていると香ばしい香りとともに小さくパチパチと爆ぜる音がして麦が膨らみます。
焦がさないように注意して全体的に膨らんだら火からおろして冷まします。

4,麦を割って種麹と合わせます

麦が完全に冷めたら小麦を割ります。うちではフードプロセッサーでは全然砕けなかったのでミルサーを使いました。完全に粉にならず割ることが目的、微妙な調製をしながらかけましたが、まぁ粉々になるもの、まんま残ってるもの入り混じっててもまぁ良しとしました。
砕いた麦と種麹を合わせてよく混ぜておきます。

5,大豆を冷まして麦と合わせます

煮えた大豆をザルに上げて水を切り、混ぜやすい大きめの容器に移したら40℃以下になるまで全体を混ぜて温度が均一になるように冷まします。
40℃以下になったら麦と麹を合わせておいたものを加え

温度が下がりすぎないよう手早く、よく混ぜます。

6,麹を培養します

清潔なふきんやさらし布にくるんだら

うちの秘密兵器フードドライヤー登場。発酵機をお持ちの方はその方がベストですが、うちはこれ。

湿度が必要な麹培養に乾燥させるための道具を使うため、保湿のためふんわりビニール袋に入れますが酸素も必要になるので口は閉じません。

フードドライヤーに入れたら30℃設定で18時間。
醤油用の麹は米麹よりも温度が上がりやすい気がします。品温が40℃を超えないように適宜温度を確認し、発熱が進んでいるようならフードドライヤーを切って保温します。

7,手入れをします

18時間経ったところで一度手入れをします。フードドライヤーから出し全体をよく混ぜます。
麹をまんべんなく混ぜ、上がっていく温度を一旦下げます。
少し塊ができてきているところはバラします。まだところどころ麹の緑が見えてもまだそこまで見た目は変わりません。
元の状態に戻してフードドライヤーに入れます。温度が上がらなければ少し30℃で回しますが、だんだん温度が上がっていくので温度が上がりすぎる前にスイッチを切ります。定期的に扉を開けて冷ますのと空気を入れるようにして品温を40℃以下に留めます。

2回目の手入れは役10時間後。
その後温度の上昇に気をつけて40℃を超えそうになったら3回目、4回目と手入れをします。

8,出麹

大豆と麹を混ぜた時点から45時間後、完成です!
全体に緑の麹菌が覆って、混ぜた時にふわっと緑の粉が舞うくらいまでできれば大成功!!
出来がイマイチな時は時間を延ばしましょう。
今回はかなりいい出来!

醤油を仕込む

出来上がった麹の重さを測り、麹:水を1:1.1の量用意します。
ここからはもう忘れ去ったであろう理科と算数の脳をフル活用。
仕上がりの塩分濃度を16%の濃口醤油で作りたいので塩/水+麹+塩×100=16になればいいわけです。
うちでできた麹は2200gでした。水の量は1.1をかけて2420g。合わせて4620gです。
求めたい塩をxとし、
x/4620+x×100=16
100x=16(4620+x)
100x-16x=73920
84x=73920
x=880
はい、塩は880g必要だということです!
大豆と麦を同じ量で作ったからって仕上がりの麹が同じ量とは限らないので頑張って計算しましょう。

測った水に塩を入れて溶かし、塩水を作ります。
うちはゲランドの荒塩を使ったのでものすごく濁ります。これも旨味。
そして、ものすごく頑張らないと全部の塩が溶けません。
またも懐かしき理科の知識、飽和食塩水は水温20℃で約26%と言われていますが、2420gの水に塩880gって26.667%。水温もこのド寒い冬場、20℃もないので多少溶け残っても仕方ないのですが出来得る限り頑張って溶かします。

うちにはホコリかぶった大きめのカメがあったのでしっかり洗って消毒もし、普通のビニール袋より厚めの漬物袋を内側にかけて麹を入れて準備。

麹に塩水を流し入れ、よく混ぜます。

よく混ぜれたら空気を抜きながら袋の口を閉じます。

あとは5日おきに袋を開けてよく混ぜて空気を入れる作業を繰り返します。
また元のように空気を抜いて袋を閉じておきます。

うちはキッチンから数歩の離れに味噌部屋と呼ばれる土間の部屋があって味噌も醤油も味醂も梅干しなどの漬け込み物も芋類などの保存の効く収穫物も全部詰め込んだ蔵のような、今で言うパントリーのような使い方のスペースがあるのでこちらに保管しています。夏でも山のある北側で空気も抜けるので暑くなりすぎずいいスペースです。

まだ仕込んで数日、1年後絞るのが楽しみにしつつ、いいご報告ができるように大事に育てていきたいと思います。