乾燥野菜くずでベジブロス

我が家では無施肥無農薬の畑で野菜を作っていますが、移住1年目にして野菜のみで言えば自給率は80%を超えていると思います。その他いただきものもあるのでほぼほぼ野菜を購入することはなくなりました。

現状販売なども行っていないので二人で食べる家庭菜園にしてはかなり大きな畑があるからなのですが、スーパーで季節感なく通年売っている野菜をなんとなく買っていた頃と比べると、その時期に採れるものばかりを集中的に食べることが多く、偏りがあるとも言えるかもしれませんが、採れる時期によって体を暖める効果、逆に冷ます効果などがある野菜をきちんと適切な季節に、季節感を身を持って感じられるこの生活が気に入っています。

そんな大事に育てた自家栽培の野菜、できることなら余すことなく全部いただきたいもの。

うちでは野菜を無駄にしない手段3段階がございます。

1、漬物or干し野菜
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3、ベジブロス
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4、コンポスト

1の漬物は大量収穫の時に日持ちするようにどっと漬ける他、うちは何年ものかになる糠漬けがあるので、野菜の端っこや微妙に残ってしまった野菜はけっこう糠漬けにぶち込んでおくと美味しい漬物になって便利。
糠漬けに向かない野菜も干し野菜にしてしまえば保存がきいてお味噌汁や煮物で役立ちます。ザルで天気の良い日にカラリと干すのが理想ですが、うちにはフードドライヤーという強力な味方もいるので曇りの日や湿気の多い時期でも万全の体制です。

1のどちらにも引っかからなかったものは2のベジブロスへ。野菜の皮や種、ヘタや調理のしにくい葉っぱなどが中心になりますが、野菜で出汁をとるというもの。
畑があると、きれいだけど固くて食べにくいキャベツや白菜の外葉なども、畑の残渣として処理してしまうのはもったいないので可能な範囲でベジブロスにしています。
通常フレッシュな状態で煮込むベジブロスですが、いつもいつも出汁が取れるだけの量が出るわけでもないので、うちでは乾燥させて保存しておきます。

ザルに広げて乾燥させ、カリカリになったら回収。乾かしてる途中の乾燥しきってない状態でもストックがなかったり足りない時にはそのまま使うことも。
乾燥野菜のベジブロスは、多少クセはあるものの、しっかりと濃厚なだしが取れます。
ベジブロスの作り方は簡単。
野菜のヘタや皮、種の部分などを水から煮ます。1リットルに対し片手でつかめるくらいの量を入れて沸騰したら弱火で5〜10分煮出します。野菜を濾したら完成。

入れる野菜の種類にもよりますが、だいたいこんなコンソメのような色になります。
季節によって使う野菜が変わってくるので出汁の雰囲気も変わってきます。それもまた楽しみの一つ。

ちょっとクセが気になるなと感じたら味噌などしっかりした味付けのお出汁として使うと旨味はしっかりありつつそこまでクセは気にならずにいただけると思います。

多くの野菜やその部位はベジブロスにできると思ってますが、苦みの強いもの、極端に泥臭さがあるようなもの、粘りのあるものは避けるようにしています。あと、トマトの葉やヘタの部分は未熟なトマトと同じ毒性があるようなので、じゃがいもの芽だったり毒性のあるものも避けます。

これが思った以上に旨味が強くて気に入っています。なんとなく出汁って海のものか動物性ってイメージありますが、野菜だけでも十分に旨味が出せることがわかります。
また、食べれるものは皮ごと食べることも多々ありますが、この料理には皮剥いたほうが美味しいんだよな、って時に2段階目のベジブロスって手段があると、無駄にするわけではないのでためらうことなく「美味しい」を優先できるのも良いところ。
今回一番オススメしたいのはこのベジブロスだったりします。

それでも使えなかったら3番目の手段。これはベジブロスで出汁を取った後の野菜も入ります。
これは直接口に入るものではないので最終手段ですが、うちには【キエーロ】といういわゆるコンポストがあります。
移住後速攻で作りました。

土に埋めてしっかり発酵させ、完熟した土は次の野菜を育てるための育苗用に使います。
畑は無施肥で山から得られる資材のみを使って微生物による土作りをしていますが、うちは基本種から育てるものが多いので、ポットで育苗する場合は苗に育つまでの間、コンポストに入れた野菜の力を借りています。これぞ循環!

こうして3段階に渡りとことん無駄なく使う!という思いで野菜はいただいているので、野菜の生ゴミがうちから出ることはほぼありません。まぁ肉や魚の骨などは土に還る前に野生動物に掘り返され荒らされてしまうので埋めることができず生ゴミを出していないとは言えないんですが…

自分で育てた野菜だからこそ、全部大事に使った上で循環させる。
そんな生活をこれからも続けていきたいと思います。